メンバーチェンジや活動休止で倒れたり、つまずくことなく、2014年4月23日に結成25周年を迎えた不動の4人組バンド、フラワーカンパニーズ。前作『ハッピーエンド』から2年3か月ぶりに完成した入魂の新作アルバム『Stayin' Alive』収録の「この世は好物だらけだぜ」において、初めて斉藤和義を共同プロデューサーに迎え、注目のコラボレーションを敢行。激動の音楽シーンをサバイブし、長年にわたって密に交流してきた両者の対談を通じて、音楽とともに走り続けてきた彼らの軌跡とそのスタンスに迫った。

──  もともと、フラカンと斉藤さんは同じ事務所に所属されていたんですよね?
鈴木圭介: そうなんですよ。
グレートマエカワ: 俺らが上京して、事務所に入った時、すでに斉藤くんは事務所にいたから、出会ってからちょうど20年になるという。
鈴木圭介: 時期的には、ちょうど、斉藤くんの「歩いて帰ろう」が(フジテレビ系子供番組)『ポンキッキーズ』のオープニング・テーマに使われてた頃ですよ。
斉藤和義: だから、何かといえば、顔を合わせてた気がする。
グレートマエカワ: 俺らは斉藤くんのライヴをよく観に行かせてもらってたし、全部じゃないかもしれないけど、どのツアーも毎回1回は観てるんじゃないかな。
竹安堅一: 昔のフラカンは今ほどライヴをやってなかったから、大抵観に行けたんだけど、最近はお互いツアーに出ていることが多いから、なかなかね。
グレートマエカワ: でも、間違いなく、自分の人生において、一番回数観ている人のライヴは斉藤くんですよ。
斉藤和義: あ、それを言ったら、日本のバンドで一番観てるのはフラカンだと思う。初めて観たのは、94年に日新パワーステーションでやったフラカン、ウルフルズ、(BO GUMBOSの)どんとさんとの対バンですよ。その時のライヴが面白かったから、その時、自分が作ってた曲のレコーディングをフラカンに演奏してもらったんですよ。
──  1996年のアルバム『FIRE DOG』に入ってる「あの高い場所へ」ですね。
グレートマエカワ: あの曲は、確か、前の年にレコーディングしたんですよ。
鈴木圭介: あの頃はライヴだけじゃなく、打ち上げにもよく参加させてもらってたなー。
斉藤和義: 地方でライヴをやった後、打ち上げで楽器演奏が出来る店を探しては、セッションしたりとかね。
竹安堅一: 札幌とか?
グレートマエカワ: あと福岡ね。こないだ古い写真を整理してたら、その時の写真が沢山出てきたよ。もちろん、俺がミック・ジャガー役をやってるやつね(笑)。
斉藤和義: あの頃、ミック役をやってたのに、途中やらなくなった時期があったよね(笑)。
鈴木圭介: 昔は髪の毛がロングだったのに、途中から物理的に真似出来なくなったっていう(笑)。
グレートマエカワ: そう、諦めたっていう(笑)。当時の俺らは若かったし、名古屋から出てきて、ビビってたこともあって、メンバー4人が固まって鎖国状態だったんですけど、斉藤くんはそういうくだらないことを受け入れてくれる敷居の低さもあったから、こっちも入ることが出来たというか。
斉藤和義: でも、俺もそんな感じだよ。当時はフェスもなかったし、他のミュージシャンと知り合う機会もほとんどなかったからね。
鈴木圭介: よく覚えているのは、雪の日にメンバー4人で斉藤くんちに遊びに行ったら、当時、猫を6匹飼ってたじゃないですか。
斉藤和義: あれ、小西が猫アレルギーだったんだけっけ?
ミスター小西: そう、家に呼んでいただいて、すごいうれしかったのに、家に入ってしばらくしたら、まぶたが腫れたり、体がどんどん辛くなっていって(笑)。
斉藤和義: 猫アレルギーって、ホントにあるんだなーって(笑)。
──  それだけ密な付き合いがあったりすると逆に音楽の話はあまりしないとか?
斉藤和義: 圭介とはたまに長電話してたよね?
鈴木圭介: ああ、ありましたね。
斉藤和義: 曲が出来ないっていう愚痴を(笑)。
鈴木圭介: 何度かあったんですけど、ベロベロに酔っ払った斉藤くんから電話があって、「歌詞って、どうやって作るの?」って(笑)。
斉藤和義: あと、フラカンはみんな音楽マニアだから、例えば、(70年代イギリスのロック・バンド)ハンブル・パイとか町田町蔵を教えてもらったり。
グレートマエカワ: 僕らも家に遊びに行っては、(アメリカのシンガーソングライター)J.J.ケイルのCDをもらったり、(2003年のアルバム『NOWHERE LAND』で共演を果たしたアメリカのギタリスト)「マーク・リボーのアルバムはこれがいいんだよ」とか。その時々、斉藤くんが聴いてる音楽は俺らも教えてもらってるんですよね。
鈴木圭介: あと、斉藤くんが何度も共演しているギタリストのロバート・クワイン。彼は大好きなニューヨーク・パンクの名バンド、リチャード・ヘル&ザ・ヴォイドイズの一員で、僕のなかではナンバー1のギタリストなんですけど、彼が斉藤くんのツアーに参加するために来日した時、ライヴを観させてもらったうえにレコードにサインしてもらったり、いい経験させてもらいました。
──  竹安くんと斉藤さんは同じギタリストとして、お互いのスタイルについて、いかがですか?
竹安堅一: 斉藤くんはギターを沢山持ってるから、よく見せてもらったり、借りたりしてるんですけど、そのギター・コレクションは加速度的にスゴくなってて。まぁ、ギター・マガジンの表紙になったり、ギブソンでギターを作ってもらったりしてる人だから、同じギタリストとしては憧れますよね。
斉藤和義: 逆に竹安は同じギターをずっと使ってて、竹安といえば、ギブソンのSGというスタイルがよく知られてるじゃないですか。俺もホントは一本で通したいと常々思っているし、黒いアコギ、ギブソンのJ-45は「これだ!」と思って使ってるけど、それ以外のギターはずっと決まらず取っ替え引っ替えしてて、全部浮気っていう(笑)。
竹安堅一: でも、ライヴのお客さんはそういうところを楽しみにしてると思うし。
鈴木圭介: 斉藤くんのファンはギター・キッズが多いですもんね。
斉藤和義: だから、開き直って、浮気性のままでいいかなって(笑)。
竹安堅一: 僕の場合、昔はライヴで4、5本使い分けていたこともあるんですけど、4人だけでツアーを回ってた時期、あれこれギターを持ち運ぶのがしんどかったので、一本に絞って弾いているうちに自分のスタイルが出来上がっていった感じですね。
──  そういう意味で、お二人のギター・スタイルは活動を通じて、熟成されていったということなのかもしれませんね。しかし、20年の熟成期間を共有しながら、こうして変わらず話が出来るミュージシャンは決して多くないと思うんです。
鈴木圭介: そうなんですよね。結局、何時間か話しているうちに昔に戻って、話題が延々とループしていくっていう(笑)。でも、それって、言い方を変えれば、戻れる場所があるっていうことですからね。
グレートマエカワ: 当時の事務所に関して、言いたいことは色々あるんですけど(笑)、斉藤くんと出会ったことは俺らにとってホントにデカくて。斉藤くんはヴォーカリストであるし、ギタリストでもあるし、ベーシスト、ドラマーでもあるから共通の話も出来るし、いつも、僕らよりずっと先にいてくれて、その活動を参考にさせてもらったり。
斉藤和義: それは俺もそうだけどね。最近も(2000年のアルバム)『怒りのBONGO』とか、その後のインディーズ時代のアルバムを聴いてたんだけど、あの頃はフラカンにとって病んでる時期の作品じゃない?
グレートマエカワ: 迷ってる感満載のね(笑)。
斉藤和義: そういう時期の作品を今改めて聴くとぐっと来るんだよね。
鈴木圭介: 今、ああいう病んでる音楽はやろうと思っても出来ないですからね。
斉藤和義: ああいう感じでいま病んだら死んじゃうもんね(笑)。
──  病むのにも体力が必要ですもんね。
鈴木圭介: 活動の軌跡ということでいえば、僕らもリリースのたびに斉藤くんの作品を頂いて、CD棚の「さ」のコーナーにはこれまで聴いてきた作品がずらっと並んでいるんですけど、その並びも一つの歴史なんですよね。しかも、フラカンの歴史はこの4人で作ってきたものであるのに対して、斉藤くんの歴史はその時々でミュージシャンが参加しつつも、斉藤くんが一人で作ってきた歴史ですからね。
斉藤和義: うーん、でも、自発的にそうしてきたわけでもなく、設定された締め切り、契約があるから、結果的にそういうことになったというだけですよ。
鈴木圭介: (笑)そういう言い方は昔から一貫してますよね。
斉藤和義: 自分は尻叩いてくれる人がいなければ、放っとくと何もしない人間だから、そういう締め切りや契約が設定される方がいいなとは思うけど、ここまでやってきて、一年に一枚アルバムを出し続けるのはさすがにきびしいなって。
グレートマエカワ: それでも斉藤くんは一年に一枚のペースで出し続けてるよね。
斉藤和義: そういう契約になってるからね。
──  はははは。
斉藤和義: スタジオに入るのは好きだし、入って何かを作らなきゃいけない状況に追い込まれれば、もちろん、がんばるけど、逆に俺は家で曲作りが出来ないからね。多くのミュージシャンはスタジオで録音する前に家で曲を作ってくるけど、俺の場合はそれが出来ないから、曲が出来るまでの時間とスタジオ代が余分にかかるっていう。(奥田)民生さんとかトータス(松本)さんには「なんて偉そうなことやってるんだ!」って言われるんだけど、あの2人は家で作り込むのが好きなんです。そういう意味ではタイプが違うんですよ。
鈴木圭介: 一度、スタジオに見学に行った時も斉藤くんは腕を組んで、うーんってうなりながら、何もやってないんですよ(笑)。「え?これ、何の作業中なんですか?」って訊いたら、「うん、歌詞が出てくるのを待ってるところ」って(笑)。スタッフも同じように待ってるし、その状況で曲が出来るのはスゴいと思いましたもん。
斉藤和義: 待たせてる申し訳なさとプレッシャーからどうにか曲を書くっていう。
グレートマエカワ: 俺らの場合、鈴木がほとんどの曲を作っているけど、仮に曲が完成しなかったとしても、他のメンバーが助けたり、逃げ場があるから、そういう意味でソロとバンドの違いは大きいよね。
斉藤和義: だから、最近は一人で曲を作るのが健全じゃないなと思って、誰かと曲を作るようにしたり。今回のアルバムで一緒にやった「この世は好物だらけだぜ」も「バンドのレコーディングは早いなー」と思って。
鈴木圭介: 確かに早かったですよねー。
──  斉藤さんが共同プロデューサーを務めた「この世は好物だらけだぜ」は、どのように作業に進めていったんですか?
グレートマエカワ: 一番最初は、斉藤くんにプロデュースにしてもらって、一緒に曲を作るということだけ決まってて、曲のアイデアも何もなかったんですけど、斉藤くんも俺らも忙しいから、曲が出来るまで、そんなに時間的な余裕があるわけじゃなかったので、レコーディング前に1日だけスタジオに入ったんです。
鈴木圭介: ただ、こっちで曲を準備したり、アイデアを決め込んで作業に臨むのは面白くないと思ったので、斉藤くんに委ねた方がいいだろう、と。
グレートマエカワ: それでまず、俺が斉藤くんに連絡して、「いまのフラカンにどんな曲があったらいいと思う?」って訊いて。そうしたら、「明るめなロックンロールがいいかな」って。そう話しただけで、スタジオに入ったんだけど、鈴木が「一発で曲を引っ張っていける強力なギター・リフはありますかね?」って言ったら、斉藤くんがそれに応えて、格好いいギター・リフを弾いてくれて。そこからの作業は早かったですね。
鈴木圭介: 斉藤くんは、もちろん、ヴォーカリストでもあるんですけど、僕らとしては、斉藤くんにギターを弾きまくって欲しかったんですよ。
グレートマエカワ: 今回のアルバム自体、ギターでガツーンといきたいっていう裏テーマもあったから、特に斉藤くんと一緒にやる曲ではバトルするくらいのつもりだったというか。
斉藤和義: だから、準備はしなかったといいつつ、竹安だけはレコーディング前にギター・フレーズをしっかり考えてあって(笑)。
──  はははは。
グレートマエカワ: 準備はしないと言っても、それくらい考えるのは普通でしょ!(笑)
竹安堅一: 本番で何度も弾き直したりするのも悪いし、格好悪いから、レコーディング前、30分の休憩中に軽く練習したんですよ。
斉藤和義: そういうことなのね。
竹安堅一: みんなで音を出した時に、曲の方向性として、(80年代のヘヴィ・メタル・バンド)モトリー・クルーみたいな音のイメージがすぐに共有出来て、クスクス笑えるようなところから作業がスタート出来たんですよ。
鈴木圭介: つまり、斉藤くんと俺らの共通言語として、メタルとハードロックがあると。しかも、普段、どちらもメタル、ハードロックはやってないじゃないですか(笑)。
──  斉藤さんはMANNISH BOYSでLAメタルを彷彿とさせる曲をやってませんでしたっけ?(笑)。
グレートマエカワ: 「CRAZY NURSE」でしょ。とうとう、「ここまで出したか!」って思ったもん(笑)。
斉藤和義: メタルが大嫌いな達っつぁん(中村達也)を巻き込んでね(笑)。
──  「この世は好物だらけだぜ」にも、そうしたユーモラスな要素を盛り込みつつ、仕上がりとしては、アグレッシヴなバンド・サウンドがフレッシュなまま真空パックされたような、そんな1曲になっていますよね。
斉藤和義: リフ一つでこんなに早くまとまるのかと思って、バンドはいいなと改めて思いましたね。しかも、たった一日で曲だけでなく、歌詞まで完成しましたからね。
鈴木圭介: 歌詞のモチーフも斉藤くんが出してくれて。それがぴったりハマったんですよね。書く作業は斉藤くんと俺が一緒にやったんですけど、言葉が出てくるのも早ければ、判断も速いから、昔、「歌詞が書けない」って電話してきた頃と全然違うじゃんって(笑)。
斉藤和義: 自分がハエになって、あちこちにウンコをつけて飛び回るっていう歌詞のイメージが先にあったからね。
鈴木圭介: でも、あまりにも早かったから、このまま終わったら、自分の手がほとんど加わらないものになってしまう……と思って、家に帰ってから、言ってることは変えずに、自分の言葉に変えたものをちょうどツアー中の斉藤くんにメールを送ったんですよ。そうしたら、すぐに「すごい!天才!これでいこう!」って、ご機嫌な返事が返ってきて、返事まで早かったっていう(笑)。そこまでの作業があまりにスムーズで……あんなことは自分たちのレコーディングでもそうそうないですよ。
グレートマエカワ: しかも、この曲では鮮度を優先させて何度も弾き直さなかったし、鈴木もいつもだったら歌い直すような荒いところもそのままにしたんですよね。
鈴木圭介: レコーディング経験を積み重ねると、完成度を高めるために、細かい部分を直すようになってしまうというか、曲の幹ではなく、枝ばっかり見るようになってしまうんですよね。もちろん、録音方法は曲のタイプにもよると思うんですけど、今回、斉藤くんと一緒にやった曲では、のびのびと曲を活かすやり方を再発見出来ましたね。
グレートマエカワ: あと、一緒にコーラスを録ったのも刺激的だったよね。
鈴木圭介: いま、僕らのレコーディングでコーラスを録る時は一人一人別々に録るんですけど、斉藤くんの「あの高い場所へ」に僕らが参加した時のことを思い出したというか、あの時のように、みんなまとめてコーラス録りをしたのはホントにひさびさにでしたもん。
──  そういう意味で、今回の斉藤さんとのコラボレーションは、フラカンが何周かして再び初期衝動に立ち返った瞬間といえるのかもしれませんね。
鈴木圭介: でも、今回、斉藤くんと一緒に曲作りをして思ったのは、斉藤くんって、歌詞が書けないとか、楽器は遊びでやってるだけだから練習はしないとか、ずっと言ってるにもかかわらず、締め切りはきっちり守るし、リリースの間隔も変わらず短いじゃないですか。しかも、毎回、出来上がる作品は、一夜漬けで作ったようなものじゃなく、楽器演奏も一級品だし、きっちり作り込んだものなんですよね。僕らなんか完成に至る過程の苦労を盛って盛って、「めちゃくちゃ苦労しました」って感じで語ったりするし、自分自身、考え込んで内に内に入っちゃうタイプなんですけど、斉藤くんはホントにフットワークが軽いし、パッと見、そうは思えないのに、ものすごいタフなんですよ。
斉藤和義: はははは。
鈴木圭介: 俺なんか、体調を気にしてライヴ後の打ち上げに出ないことも多いし、本番前は加湿器かけたり、酸素吸入したり、ものすごいケアしても、本番では喉のコンディションが良くない時もあるんです。でも、斉藤くんはツアー中も朝まで飲んでるし、ライヴ前もタバコはガンガン吸うし、全く体をケアせずにそのままステージに立つじゃないですか。
斉藤和義: そんな毎回、朝まで飲んだりしてないって!(笑)。
グレートマエカワ: 確かに斉藤くんはフットワークが軽いし、タフだとは思うけど、斉藤くんは斉藤くんだし、鈴木は鈴木だよ(笑)。25年経っても変わらずにないものねだりをしたり、もがきながら前に進もうとしてる鈴木のスタイルは、俺はいいと思うけどね(笑)。
──  今回のアルバム『Stayin' Alive』はそうした25年に渡る悪戦苦闘の末にフラカンが辿り着いた一つの境地ですし、斉藤さんは斉藤さんなりの試行錯誤を経て、2013年にデビュー20周年を迎えたわけですが、大きな節目を越えた今後の活動について、どんなイメージをお持ちですか?
グレートマエカワ: まぁ、ここまで音楽をやってきたから止めたくはないなと思いつつ、前と比べたら、体だったり、色んな面で多少ガタがきているのも事実で。とはいえ、そういったことを考えすぎてもしょうがないというか、その辺のことは鈴木が沢山考えてくれるからね(笑)。
鈴木圭介: (笑)いやいや、俺、将来のことは全く考えてないよ。次の日のこと、次のライヴのことを考えるのに精一杯だからさ。
斉藤和義: まぁ、でも、俺も先のことは考えない……のか、考えないようにしてるのか。圭介と同じく、日々の締め切りでいっぱいいっぱいですよ。ただ、俺の場合、来年、50だからね。50なんて、単なる数字だよって思うけど、字面がね……。だから、その先の音楽人生よりも50っていうハードルの方が自分にとっては切実かもしれない(笑)。
竹安堅一: でも、斉藤くんがそのハードルを越えて、今と同じく楽しく音楽をやってくれてたら、僕らもイケるんじゃないかなっていう。
グレートマエカワ: そして、俺らの下にも若いバンドがいて。
鈴木圭介: 実際、若いバンドから「フラカンがいてくれたから……」って言われることもあるんですけど、俺なんか本当にギリギリで、へばりついてるだけだからっていう。
斉藤和義: でも、上の人たちもみんな同じく、水面下では足をバタバタさせてると思うんだけどね。
鈴木圭介: あ、そうか。そういう部分を出すか出さないかっていう話なのか(笑)。そういう部分を先輩ミュージシャンから学んで、自分たちもちゃんと出来るようになったら、この先も音楽を続けていけるんだろうな、と。
──  そして、フラカンと斉藤さんが不定期に行っている対バン企画……えっと、いま何万ボルトになってるんでしたっけ?
グレートマエカワ: 1回ごとに100万ボルト増えてるから、500万ボルトだね。
──  じゃあ、次の回のタイトルは『ロックンロール600万ボルト』になると。その開催はいつごろになりそうですかね?
斉藤和義: 最後が2012年だから、今年あたりやりたいよね。
グレートマエカワ: そうですね。斉藤くんに対して、うちら4人が束になって食らいついて、1000万ボルトになるまで対バンを続けられたら最高なんですけどね。

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